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海のバティック

バティックが大好きな南極星が、チレボンへ遊びに行った時のこと。パチェ工房に住むペンギンのペン子ちゃんを訪ねました。

インドラマユのパオマン地区では、家の軒先でバティックをしている★いいバティックが欲しいなー。

◎インドラマユのバティックはお値打ちだよ。インドラマユ、行ったことある?
 
★ジャカルタからチレボンへ来る途中に通るよ。海辺でシーフードも食べるし。でも、バティックは一体どこで売っているの?

◎そっか。インドラマユの街はまだ行ったことないんだね。

★あ、街は別の場所にあるんだ! 道理で、何もないな、って思ってた。

◎一緒に行ってみる?

★うん、連れてって!

ペン子ちゃんの案内でやって来たインドラマユ。チレボンからは車で1時間ほどだ。

街は意外にも開けた雰囲気で、チレボンよりも(ちょっとだけ)都会的。逆に言うとチレボンのような「凝縮感」がなく、一見(いちげん)さんには把握しにくい。

線描きをするアアットさん。下絵も描かず、フリーハンドで。バティックを始めたのは小学生の時

ペン子ちゃんの知り合いのバティック職人、アアットさんの家へ。アアットさんが住んでいるのは街の北の方のパオマン(Paoman)地区。インドラマユでバティックを作っているのはパオマン地区、南のシンダン(Sindang)地区の2カ所だ。インドラマユ県の商業産業局によると、この両地区にバティック工房は14あり、バティック職人の数は約130人。村の中をぶらぶら歩くと、家々の軒先で、漁師の妻たちが蝋描きをしている。

インドラマユのバティックは手描きが基本。今はチャップ(型押し)を使う工房もあるが、昔は手描きしかなかった。それも、あまり時間をかけない、「安い」手描き。最高級バティックは両面に蝋を置くが、インドラマユのバティックは基本的に片面のみだ。色遣いは単色が多く、紅型染めのように筆で色を挿したりもする。


面白いのは、チョンプロンガン(complongan)という道具を使った技法。インドラマユのバティックで、白地に小さい黒い点々が背景一面に付いているものがある。これはどうやるかというと、蝋を置いた布の上から針で穴を開けるのだ。チョンプロンガンは鋭い針が10〜16本付いている。これを布に当て、「プスッ」、「バシバシバシバシ......」と穴を開けていく。くどいようだが、本当に穴を開けてしまう。こうしてから染めると、蝋を置いた場所は染まらないので白に、穴には染料が入って細かい点々模様に染まる。そしてあら不思議、布に穴が開いているようには見えないのでした。

チレボンのチョンプロンガンは形が 違う。広げた布の上から押す

白くする(染めない)ところを蝋で伏せる



布を架けたまま、「バシバシバシバシ」と一面に穴を開けていく。1日に2枚ぐらいできる 布を透かしてよくよく見ると、染料の入りが悪いところどころに、小さな針の穴がぽつぽつと開いているのが見える。なぜこんなことをするかというと、模様として。やるのが面倒なので一時は廃れかけたが、また復活したそうだ。チレボンにもこの技法はあるが、インドラマユの方がよく使われている。

工房で蝋描き中の人。蝋の鍋を置いているコ ンロはユドヨノ大統領夫人からのプレゼント

工房ではチャップ(型押し)もある。チャップは男性の仕事。型を蝋に浸して一振りし、「ふっふっ」と口で吹いてから、トントントン、と手で押さえて押していく



インドラマユは漁師の街だ。いったん漁に出た夫が何カ月も帰って来ないこともあるので、その間、女たちは家でバティックをしている。チレボンのように工房に出勤して日給や週給の給料をもらう、という人は少なく、時間のある時に家で蝋置きをして、出来高制で手間賃をもらっている。だから、「日曜だって関係ない。暇な時はいつもこうやってバティックをしている」と、アアットさんのご近所さんで、母子揃って蝋置きをしていたダリアさん(54)とスシさん(28)は笑っていた。

アアットさんの夫も船長で、出漁中だった。「どこに行っているの?」と聞くと、「知らない。カリマンタンの方じゃないかな。マレーシアとの国境近くまで行くこともある」。1カ月ほど海に出て、戻ってきたら、半月ほど休養するそうだ。

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